私が訪問看護を意識したきっかけは、看護学校時代の実習で出会ったあるご夫婦です。当時80代だったご夫婦は、お互いに認知力の低下がある中、自宅での療養を続けていたのですが、お二人の表情が病院にいる患者様とは違い、リラックスした表情でした。飾らず、朗らかな表情で過ごされるお二人を見て、訪問看護に興味を持ちました。ただ、訪問看護となると一人で何でもできないといけないというイメージがあったので、実務の経験を積むため病院看護に入職。6年病院勤務を続けたのち、ちくさ病院が訪問看護ステーションを立ち上げるというタイミングで転職してきました。
訪問看護をはじめる前は、一人で患者様宅へ行き、看護することに対して、多少不安ありました。ただ実際働きだしてみると、医師や先輩看護師とのコミュニケーション量が多く、何かあった際に連絡を取れるネットワークが整っていたので、すぐに慣れ、憧れだった入院前も退院後も見守れる看護師として勤務できています。病院看護の時代は、人が周りに多かった分、どこか医師頼りの部分がありましたが、今は「目の前の患者さんが頼れるのは私しかいない。」と使命感を持って、知識を増やし情報を収集。なぜ先生はこの薬を処方したのか、ごく早期の段階から患者様の変化・サインに気づくためにどうすればいいかなど、常に自分に何ができるかを自ら考え、行動に移すという動きをできるようになりました。